ラーンの大斧が遺跡の奥深くにある石壁を粉砕した。埃が舞う中、イシェは咳き込みながら「また無駄な力仕事だ」と眉間にしわを寄せた。
「ほら、イシェ。こんな時こそ豪快にいくんだよ！」とラーンは得意げに笑った。彼の目は遺跡の奥底に広がる暗闇をじっと見つめていた。そこに何かがある、そう確信しているようだった。
テルヘルは冷静に周囲を警戒しながら言った。「この遺跡は他のものとは違う。何かがおかしい」
イシェはテルヘルの言葉に同調した。「私もそう思う。ここには何か…不吉な気が漂っている」
彼らは慎重に進むにつれて、壁画や彫刻に見られる奇妙な記号が増えていった。まるで警告のように見える記号だった。ラーンはそれらを無視したが、イシェとテルヘルは眉をひそめた。
遺跡の奥深くで、彼らは巨大な石棺を発見した。棺の上には、まるで生き物のように蠢く模様が刻まれていた。その模様は、まるで彼らに何かを伝えようとしているかのようだった。
「これは…！」ラーンが言葉を失った。
イシェは恐怖を感じながらも、本能的に棺の模様の意味を探ろうとした。すると、彼女の頭の中に、まるで啓示のように、ある言葉が浮かんだ。「眠りし者…目覚めの時…」
その時、石棺から黒い煙が立ち上り、部屋中に広がった。ラーンとイシェは咳き込みながら後ずさったが、テルヘルは冷静さを保ち、剣を構えた。
煙が晴れると、石棺の上には奇妙な生き物が現れていた。それは、まるで影のような姿で、鋭い爪と牙を持っていた。その目は赤く輝き、周囲を menace していた。
「これは…何だ？」ラーンの顔色は青白になった。
テルヘルは冷静に言った。「啓示に従うのだ。この生き物は眠りし者であり、今まさに目覚めたのだ」
イシェは恐怖を感じながらも、ラーンとテルヘルの後ろに立ち、共に戦おうとした。彼らの運命は、この遺跡の奥底で決まるだろう。