ラーンが石の扉を押し開けると、埃っぽい空気が彼らを包んだ。イシェが鼻をつまんで「またこの臭い…」と呟くと、テルヘルは「無駄な時間だ。早く遺物を探せ」と促した。
ビレーから少し離れた遺跡では、いつもより深い地下に降りていた。ラーンが興奮気味に「何か大きいのがありそうだな!」と言うたびにイシェは「そんなこと言わないでよ…」とため息をつく。テルヘルは二人を見下ろしながら、「この遺跡には何らかの呪いがあると言われている。気をつけろ」と警告した。
その言葉通り、彼らはすぐに奇妙な現象に遭遇する。壁に描かれた絵が突然動き出し、不気味な声が響き渡ったのだ。イシェは恐怖で声を上げそうになったが、ラーンが彼女を引っ張って安全な場所に避難させた。テルヘルは冷静に状況を見極め、呪いに関する古い文献から知識を得ようとした。
しかし、呪いはさらに強まり、彼らは幻覚に囚われ始めた。ラーンの目の前に、過去の戦いの記憶が蘇り、イシェは幼い頃に亡くなった母親の姿を見た。テルヘルはかつてヴォルダンに奪われた家族の影に苦しめられた。
ラーンは必死に呪いに抵抗しようとしたが、その力は強すぎる。イシェは涙を流しながら「もうだめ…私たちを助けろ…」と叫んだ。その時、テルヘルが何かを見つけた。「ここはかつてヴォルダンの支配下にあり、呪いは彼の残したものである」彼女は言った。「この呪いを解くには、ヴォルダンにまつわる遺物を破壊する必要がある」
彼らは危険な迷宮の奥深くにあるヴォルダンの遺物へと向かった。ラーンとイシェは呪いとの戦いに苦しみながらも、テルヘルの指示に従って進む。そしてついに、彼らは遺物を見つけ出した。それは黒曜石でできた小さな人形だった。テルヘルが人形を手に取ると、呪いの力がさらに強まり、三人は絶望的な状況に陥った。
しかし、ラーンは諦めなかった。彼は仲間を守るために、最後の力を振り絞って人形を破壊した。その時、呪いは消滅し、彼らは元の世界に戻ることができた。彼らは疲弊し、傷ついていたが、生き延びた喜びを感じていた。
「あの呪い…一体何だったんだろう…」イシェは震える声で言った。テルヘルは深く頷きながら、「ヴォルダンは強力な魔術使いだった。彼の呪いは、まだこの世界に多くの悪影響を及ぼしているのかもしれない」と答えた。ラーンは仲間を見つめ、「次はどんな困難が待ち受けているかわからないけど、私たちは一緒に乗り越える」と力強く言った。彼ら三人は、新たな冒険へと旅立った。