ラーンの大斧が遺跡の石壁を粉砕した。埃が舞う中、イシェは咳き込みながら「また無駄な力の使い方ね」と呆れた声で言った。ラーンはニヤリと笑って「そう言わずに、早く宝探しの準備をしろよ!今日は何かいいものが見つかる気がするんだ!」と答えた。イシェは彼の楽観性に苦笑した。いつも通りの大穴探しだ。
テルヘルが遺跡の奥深くで何かを発見した。「これは...」と呟きながら、彼女は石板に描かれた奇妙な記号を指差した。ラーンとイシェも集まると、その記号はまるで生き物のようにも見えた。複雑に絡み合った模様が脈打つように輝いている。
「何か特別な力があるのかもしれない」テルヘルは言った。「この遺跡の奥にある部屋には、かつて偉大な文明が残した知識が眠っているらしい。それを手に入れることができれば、ヴォルダンに復讐を果たせるかもしれない」
ラーンの目には熱が宿った。「よし、行こう!大穴が見つかるぞ!」
イシェは不安を感じた。テルヘルの目的は理解できる。しかし、この遺跡から放たれる異様なエネルギーは、何かを吸収し、増幅するようなものだと感じられなかったためだった。
彼らは遺跡の奥深くへと進んだ。壁には奇妙な模様が刻まれ、冷たい風が吹き荒れていた。イシェは背筋がゾッとする感覚に襲われた。
突然、石板から光が放たれ、三人はその場に固定された。光が彼らの体に入り込み、まるで何かを吸収しているような感覚だった。ラーンの力は増幅し、イシェの頭脳は研ぎ澄まされ、テルヘルの憎悪はより深く燃え上がった。
「これは...」イシェは言葉を失った。
その時、遺跡の奥から巨大な影が姿を現した。それは古代文明の守護者であり、その力は想像を絶するものであった。