「おい、イシェ、何だあの光？！」
ラーンが興奮気味に叫ぶ。薄暗い遺跡の奥から、不自然な青白い光が漏れている。イシェは眉間に皺を寄せながら慎重に近づき、剣を抜く。
「様子を見るんだ」とラーンに小声で言うと、テルヘルも静かに剣を構え、3人は光源へとゆっくりと足を進めた。
すると、そこには巨大な石の扉があり、青白い光はそこから出ているようだった。扉には複雑な模様が刻まれており、古代文字のようなものが散りばめられている。イシェは慎重に扉に手を伸ばし、わずかに触れた瞬間、扉の模様が光り輝き始めた。
「何だこれは…」
イシェは驚いて後ずさる。その時、扉がゆっくりと開かれ始め、その奥から冷たい風が吹き出した。中からは奇妙な音が聞こえ、かすかに金属的な匂いが漂ってきた。
ラーンの顔が輝いた。「ついに大穴か！？」
テルヘルは冷静に「待て」と制止するが、ラーンはすでに扉の中へと入っていった。イシェはため息をつきながらテルヘルに視線を向けると、彼女は頷き、2人で扉の中へ続く階段を降り始めた。
階段を降り終えると、広大な地下空間が広がっていた。そこには、石造りの建物や機械が点在し、青白い光が充満している。まるで古代文明の遺跡のようだった。
ラーンは目を輝かせながら周囲を探索する。イシェは警戒しながら彼を見守る。テルヘルは、壁に描かれた奇妙な図形をじっと見つめていた。
「これは…」
テルヘルが呟くと、突然床から青い光が噴出し、3人を包み込んだ。そして意識を失ってしまった。
目が覚めた時、3人は冷たい石の床の上で横たわっていた。周囲は牢屋のようだ。鉄格子越しに、暗い通路が見えた。
「ここは…」
ラーンの声が震えていた。イシェは立ち上がり、鉄格子の向こうを覗き込むと、そこで見つけたものは、驚愕の事実だった。
そこには、無数の古代機械が稼働し、人々が作業していた。そして、その中心には、巨大な装置があり、そこに収監された人間たちが苦しんでいた。
イシェは息をのんだ。「これは…何なのか…」
テルヘルは冷静に言った。「ヴォルダンの doing だ。ここが彼らの秘密兵器開発施設だとしたら…」
ラーンは立ち上がり、鉄格子を激しく叩きつけた。
「何だこの場所！？俺たちを解放しろ！」
しかし、その声は無視され、牢屋は沈黙に包まれた。
3人は、ヴォルダンによって捕らえられ、恐ろしい計画の歯車の一部となってしまう運命にあった。