日差しが容赦なく照りつける砂漠の遺跡。ラーンは額の汗を拭いながら、巨大な石造りの扉に手を当てた。「よし、開けられるぞ！」
イシェが眉間に皺を寄せた。「ちょっと待った。あの紋章、見たことある…」
「そんな細かいこと言ってる場合じゃない！宝が待ってるぞ！」ラーンの言葉に押されるように、イシェは扉の傍らに刻まれた紋章を見つめた。どこかで見たような…
その時、テルヘルが鋭い視線で二人の動きを止めた。「この遺跡には罠がある可能性が高い。紋章の意味を調べないと危険だ」
ラーンの顔色が曇った。「そんな…俺たちには時間がないんだ！」
「時間がないからこそ慎重に…」テルヘルの言葉は遮られた。背後から不気味な音が響き渡り、砂埃が舞う中、巨大な石像が動き始めたのだ。
イシェは冷静さを保ち、石像の動きを分析した。「この石像は紋章で制御されているようだ。紋章の意味を解明すれば…」
ラーンは剣を抜き、「そんな時間はない！イシェ、お前は紋章を調べろ！俺が石像を引きつける！」と叫び、石像へと突進した。
テルヘルは冷静に状況を判断し、ラーンの動きに合わせて石像の弱点を探り始めた。彼女はラーンには言わなかったが、この遺跡の調査は単なる宝探しではない。ヴォルダンとの戦いに勝利するための重要な手がかりが隠されていると確信していたのだ。
イシェは必死に紋章を解読しようと奮闘する。刻まれた記号の意味、配置、そして石像の動き…彼女の頭の中は混乱している。だが、彼女は諦めなかった。ラーンの命運、そしてテルヘルの目的、そして自分自身の未来がかかっている。
その時、イシェの目に紋章の意味が閃いた。「これだ！」彼女は叫び、石像を制御するキーとなる紋章の組み合わせを見つけた。その瞬間、石像は動きを止め、砂埃が静かに落ちていった。
ラーンは息を切らし、イシェに駆け寄る。「イシェ、お前凄すぎる！ありがとう！」
テルヘルは冷静な表情で言った。「まだ油断するな。この遺跡にはもっと多くの謎がある。そして、勝機は…」彼女の視線は遺跡の奥深くに注がれた。