ラーンの大 swing が埃を巻き上げ、遺跡の奥深くへと消えていく。イシェは眉間にしわを寄せながら、彼の後を追うようにして進む。「また無駄な力技だ。あの仕掛けには剣で対抗する必要はないだろう」
ラーンは振り返り、「ああ、でも楽しいだろ？ 冒険ってのはこうじゃなきゃ！」と豪快に笑った。イシェはため息をつきながらも、内心では彼のその明るさに少しだけ安心した。
「よし、ここら辺で休憩だ」とテルヘルが言った。彼女は近くの壁に手を当て、何かを察知しているようだった。「この遺跡には古代の罠が残されている可能性が高い。特にこの場所では注意が必要だ」
イシェはテルヘルの言葉に耳を傾けながら、周囲を見回した。確かに、壁には複雑な模様が刻まれており、不気味な空気が漂っていた。「何か感じるものがあるのか？」ラーンが尋ねた。テルヘルは頷き、「この遺跡の奥深くには、我々が探しているものがある」と静かに言った。
「そして、それを手に入れるためには、彼らを倒さなければならない」
その言葉に、イシェは背筋を寒気に襲われた。彼らは、この遺跡でヴォルダンと対峙する必要があるのかもしれない。そして、その戦いに勝利しなければ、彼らの夢、そしてテルヘルの復讐は叶わないのだ。
ラーンの明るい笑顔が、イシェの不安を少し和らげてくれた。「大丈夫だ、イシェ。俺たちが勝つ！」彼の言葉には揺るぎない自信が込められていた。イシェは深く息を吸い込み、その自信に引っ張られるように頷いた。彼らは、この遺跡で「勝ち」を手にするために、力を合わせて戦う決意をしたのだった。