ラーンの大笑い声がビレーの朝静けさを切り裂いた。イシェは眉間に皺を寄せながら、寝起きぼそぼそと「また遺跡で暴れたのかい?」と呟いた。ラーンは、 yesterday's treasure の輝きを胸に抱きしめながら、「違うぜ!今回は本物だ!古代の呪文が刻まれた石版を発見したんだ!」と興奮気味に言った。イシェはそんな彼を見てため息をついた。「またか…」と呟きながらも、ラーンの顔色を見る限り、今回は本当に何か見つかったのではないかと少し期待を寄せていた。
一方、テルヘルはいつものように冷静な表情で二人を見つめていた。彼女の目的は遺跡の遺物ではなく、ヴォルダンへの復讐だった。ラーンとイシェを利用していることは重々承知の上だが、彼らの持つ能力が必要不可欠だった。特にラーンの戦闘力とイシェの慎重さは、彼女にとって貴重な武器だった。
「よし、今日は新しい遺跡に挑もう」とラーンが提案した。イシェは地図を広げ、近くの未探索の遺跡を確認し始めた。テルヘルは二人をじっと見つめながら、「今回は危険な場所になるだろう。覚悟しておく必要がある」と冷たく言った。彼女の目は、まるで燃えるような情熱を秘めているかのように輝いていた。
彼らは遺跡へと向かった。道中、ラーンはいつも通り無茶な行動を取り、イシェが慌てて止めようとする。テルヘルは静かに周囲を観察しながら、二人を冷静に導いていた。遺跡の入り口に着くと、不気味な空気が彼らを包み込んだ。
「ここには何かがいる…」イシェは不安げに呟いた。ラーンは剣を手に取り、意気揚々と遺跡の中へと踏み入れた。テルヘルは彼の後ろを歩きながら、小さく呟いた。「そうだな、そして、それは私たちを待っている。」