ラーンの大斧が埃を巻き上げながら遺跡の奥深くへ切り込んだ。石壁には奇妙な文様が刻まれており、イシェは眉間にしわを寄せながらそれを解読を試みた。「これは…古代ヴォルダン語か? 意味不明だ。」彼女は呟いた。
「そんなことより、何か遺物でも見つからないかな?」ラーンは目を輝かせ、壁の隙間をくまなく探っていた。
テルヘルは二人のやりとりを冷ややかな目で見ていた。「時間無駄にしている。目標は遺物ではなく、この遺跡の真奥にあるはずだ。」彼女の視線は、壁画の一部分に注がれていた。そこには、幾何学模様と複雑に絡み合った線で描かれた、不規則な形をした装置が表現されていた。
「あの図形…どこかで見たことがあるような…」イシェが呟くと、テルヘルは頷いた。「私の記憶が正しければ、それは『創世の鍵』と呼ばれる装置だ。伝説によると、この鍵は古代文明によって建造された超常的なエネルギー源を制御するもので、ヴォルダンがそれを手に入れようとして失敗したという記録がある。」
ラーンの顔色が変わった。「つまり、この遺跡にはとんでもないtreasureが眠っているってことか?」
「treasure?いいえ、ラーン。これはヴォルダンに復讐を果たすための鍵になる。」テルヘルは冷酷な表情で言った。「そして、その鍵を手に入れるために、私たちは協力するのだ。」
イシェは不安げに二人を見つめた。「でも、あの装置…本当に危険じゃないの? 誤動作したらどうなるか分からない…」
「心配するな、イシェ。私はリスクを計算済みだ。」テルヘルは自信たっぷりに言った。「そして、成功すれば、我々は歴史を変えることができる。」
ラーンの目は燃えるように輝き、イシェはため息をついた。彼らは、未知なる古代文明の秘密と、その先に待つ運命に足を踏み入れることになったのだ。