ラーンの大振りの剣が遺跡の壁を叩き割った。埃が舞う中、イシェは鼻をつまんで「また無駄なことを…」と呟いた。ラーンは苦笑いで「ほら、何かあるかもって!宝箱とか出ないかな」と目を輝かせた。
だが、奥からは何の遺物も出てこなかった。「やっぱり」イシェは呆れたように言った。「お前には宝探しのセンスがないわ」
「そうか?じゃあ、イシェは?」ラーンが挑発的に笑った。イシェは小さくため息をついた。「私はこの遺跡を調査して、何か重要な情報を得るのが目的よ。宝なんてどうでもいい」
その時、テルヘルが後ろから近づいてきて、「二人とも無駄な時間を過ごしている。次の目標地点に向かおう」と冷静に言った。彼女は地図を広げ、「この遺跡は分割されて複数の場所に散らばっている。全てを繋ぎ合わせれば、何か重要なものがわかるはずだ」
ラーンは「また難しい話か…」と肩をすくめたが、イシェは興味深そうに地図を覗き込んだ。「分割…ということは、それぞれに意味があるのかもしれないわ…」
テルヘルは少しだけ微笑んだ。「そうかもしれない。そして、その意味を解明することが、我々の目的だ」