ラーンの大 swing が埃を巻き上げ、巨大な石門を押し開けた。「よし、これで入れますな!」
イシェは眉間に皺を寄せた。「慎重にやろうよ、ラーン。あの遺跡の記録には、トラップが仕掛けられているって書いてあったはずだ」
「そんなの気にすんなって!ほら、見てみろ、この神秘的な模様!きっと大穴につながる鍵だ!」
ラーンの指が、壁に刻まれた複雑な紋様に触れた瞬間、床から不気味な音がした。イシェは背筋を凍りつかせるような嫌悪感を感じた。石板の隙間から、何かの肉片がこぼれ落ちてきた。それは腐敗し、変色していたが、明らかに動物のものだった。
「なんだこれ…」
ラーンの顔色が変わった。「おい、イシェ、この匂い…なんか内臓みたいだな」
その時、壁に隠されていた小さな穴から、粘液のようなものが流れ出した。イシェは反射的に後ずさった。その粘液は床を溶かし、腐敗した臭気を撒き散らした。
「テ、テルヘル!」 イシェが叫んだ。「これは罠だ!逃げよう!」
テルヘルは冷静に剣を抜いた。「待て。これは単なるトラップではない。何か…生きているものだ」
粘液は壁を這い上がり、天井から垂れ下がった。その形は不定形で、まるで脈打つような動きを見せた。イシェは恐怖で体が震えた。内臓のようなものが蠢いている光景は、想像を絶する悪夢だった。