ラーンの大 hammer が遺跡の壁面に激突した。石塵が舞う中、イシェは眉間に皺を寄せながら、 "また無駄な力の使い方をしている" と呟いた。ラーンは不機嫌そうに笑って、「大穴には強引に開けるのが一番だ」と反論した。
テルヘルは静かに壁面を指さし、「ここだ」と告げた。彼女の鋭い視線は、イシェの目にも届き、わずかな揺らぎを感じさせた。そこには、一見ただの石畳に見える場所が、かすかに異なる色合いで輝いていた。イシェは胸に秘めた緊張を隠せない。この遺跡は、彼がこれまで訪れたどの場所よりも、何かを秘めているように感じられたのだ。
ラーンが力任せに石畳を抉ると、その下から光り輝く金属片が現れた。イシェは息を呑んだ。それは古代の技術で作られた複雑な装置だった。テルヘルは目を輝かせながら、「これは…。」と呟いたが、言葉を続ける前に、装置から不気味な音が響き始めた。
その時、ラーンの体に奇妙な光が走った。彼は驚愕した表情で、自分の手を見つめた。「なんだこれは…」
イシェは、ラーンが放つ熱気を感じながら、彼の体から微かな共鳴を感じ取った。それはまるで、装置とラーンの心をつなぐ、見えない糸のようなものだった。テルヘルは冷静に状況を分析しながら、「何か起こっている…!」と叫んだ。だが、その瞬間、装置から爆発的なエネルギーが放たれた。
ラーンは、装置のエネルギーを一身に受け止め、その場に倒れ込んだ。イシェは駆け寄ると、彼の腕に触れると、ラーンの体温が異様に高くなっていた。そして、彼の心臓の鼓動は、まるで古代の装置のビートに合わせて脈打っているようだった。
テルヘルは、事態の異常さに言葉を失った。彼女は、この遺跡が単なる遺物ではなく、何かもっと大きな力を持つ場所であることを確信した。そして、ラーンがその力を引き出す鍵なのかもしれないとも思った。だが、その答えを見つけるには、まだまだ多くの謎を解かなければいけなかった。