ラーンが巨大な石の扉を勢いよく押し開けた時、埃が舞い上がり、彼らを包んだ。イシェは咳き込みながら、「また大げさな entrance だね」と呟いた。扉の先には広々とした空間が広がり、中央には苔むした祭壇が鎮座していた。
「よし、宝の眠る部屋だ!」ラーンは目を輝かせ、剣を構えた。イシェはため息をつきながら、祭壇に刻まれた古代文字の解読を始めた。テルヘルは静かに周囲を見回し、鋭い視線で壁画や床に描かれた記号を吟味していた。
「ここには何かがある」テルヘルは呟いた。「この遺跡は単なる墓ではない。何らかの儀式が行われた場所だ」
イシェが解読を終えると、「ここは古代の王家の墓だと言われている。王は強力な力を持ち、その力を制御するための儀式を行っていたらしい」と説明した。ラーンの顔色が変わった。「強力な力か…」彼の目は祭壇の宝箱に釘付けになった。
テルヘルは警告するように言った。「この遺跡には危険が潜んでいる。古代の呪いなのか、何か別のものなのかは分からないが、注意が必要だ」
ラーンは意に介さず、宝箱に手を伸ばそうとしたその時、床に描かれた紋章が光り始めた。部屋中に奇妙な音が響き渡り、空気が重くなった。イシェは叫んだ。「これは!...免疫...!」
ラーンの体から黒い煙が立ち上り、彼の目は赤く染まった。彼は苦しみながら、剣を振り下ろした。イシェは驚愕し、「ラーン!何をしているの?」と叫んだ。しかし、ラーンの目はもう戻らず、獣のようにイシェに襲いかかった。
テルヘルは素早く剣を抜いてラーンを阻んだ。「何だこれは…!」彼女は驚愕しながらも、冷静さを保っていた。イシェは恐怖で言葉を失った。
「免疫が…失われた…」テルヘルの声は震えていた。「この遺跡には、古代の王の力を奪うための儀式が行われていた。そして、その力は…免疫を奪い、人を操る力を持つようだ」