ビレーの朝焼けは、いつもより少しだけ鮮やかだった。ラーンは、その光が遺跡の奥深くまで届くことを願った。イシェがいつものように眉間にシワを寄せている。
「本当に大丈夫なのか？あの遺跡は危険だって聞いたことがあるぞ」
ラーンの肩を軽く叩きながら、テルヘルは微笑んだ。「大丈夫よ。私は十分な準備をしているわ。それに、この光。きっと何かを示してくれるはずよ」
イシェは、テルヘルの瞳に映る光が、どこか狂気じみたものだと感じた。ラーンは、そんなことを知る由もない。彼はただ、イシェの心配をよそに、興奮を隠せないでいた。「よし、行こうぜ！今日は必ず大穴を見つける！」
遺跡の入り口は、まるで巨大な獣の口のように開いていた。内部は薄暗く、わずかに差し込む光が、埃を舞い上がらせていた。ラーンは剣を抜き、イシェは慎重に足取りを確かめて進んでいく。テルヘルは後方で、何かを呟いているようだった。
深く進むにつれて、遺跡の壁には不思議な模様が浮かび上がってきた。それはまるで、光と影が織りなす絵画のようだった。ラーンは目を奪われ、その美しさに息をのんだ。イシェは、その模様の意味を理解しようとしていた。
「これは...何か古代の文字じゃないか？」
テルヘルは、壁の模様を指さした。「この遺跡には、かつて強力な光が宿っていたという伝説があるわ。もしかしたら、それがまだ残っているのかもしれない」
ラーンの心は高鳴り、イシェも興奮を抑えきれない様子だった。彼らは、古代の光に導かれるように、遺跡の奥へと進んでいった。そしてついに、巨大な部屋にたどり着いた。その中心には、光輝く球体が浮かんでいた。それはまるで、太陽のような輝きを放ち、部屋全体を照らしていた。
「これが...大穴だ！」ラーンの声は震えていた。イシェも言葉を失い、ただその光をじっと見つめていた。テルヘルは、ゆっくりと近づいていった。そして、球体に手を伸ばした。
その時、光が爆発した。 blinding light.