「おいイシェ、あの石碑、どうだ？」ラーンが興奮気味に巨大な石碑を指差した。イシェは眉をひそめて石碑の刻印を確かめた。「古代語だ。何かの呪文みたいだな」。ラーンの期待に反して、イシェの返事は冷静だった。「呪文か…」。ラーンは少しがっかりしたが、すぐに目を輝かせた。「もしかしたら強力な魔道具の鍵になるかもな！よし、テルヘルに報告だ！」
テルヘルは石碑の前で地図を広げ、真剣な表情で何かを呟いていた。ラーンの報告を聞き終わると、彼女は地図上の特定の位置を示した。「ここだな。この遺跡にはヴォルダンが関与していた可能性が高い。彼らが何を求めていたのか…」。テルヘルは目を細めた。「もしあの石碑が鍵なら、我々が先に手に入れるべきだ」。
イシェは少し不安そうに言った。「でも、ヴォルダンが関わっていた遺跡って…危険じゃないか？」「危険なのは確かだが、我々には他に選択肢がない」。テルヘルは冷たい視線でイシェを見据えた。「それに、お前たちが望むのは大穴だと？あの石碑がその鍵になる可能性もある。便宜を図るなら、リスクも伴うものだ」。
ラーンの顔に興奮の色が戻った。「よし！準備開始だ！」イシェはため息をついた。ラーンとテルヘルの決意は揺るぎない。自分たちは一体どこまで巻き込まれていくのだろう… そして、本当に「大穴」を見つけることができるのか？ イシェの不安は募るばかりだった。