灼熱の太陽が容赦なく降り注ぐビレーの街外れ。ラーンとイシェは、テルヘルから指定された遺跡の入り口前に立っていた。いつもより Tension が高かった。テルヘルは不機嫌な表情を浮かべ、地図を指差した。「今回は特に注意が必要だ。ヴォルダン軍が近付いている情報がある。遺跡に何かを狙っている可能性もある。」
イシェは不安げにラーンの顔を見た。「本当に大丈夫なのか？あの大国とは関わりたくないよ。」
ラーンはいつものように豪快な笑みを浮かべた。「大丈夫だ、イシェ！俺たちが先に遺物を手に入れればヴォルダンも何もできやしねえ！」
しかし、彼の言葉にも少しだけ自信なさげな色が出ていた。テルヘルが雇う遺跡探索の依頼は高額だったが、危険度も伴っていた。特に今回は、ヴォルダンとの国境に近い場所にある遺跡だったため、緊張感が張り詰めていた。
遺跡内部は暗く湿り気があり、不気味な石造りの壁が続く。ラーンの持つランプの光だけが、闇をわずかに照らしている。イシェは慎重に足取りを確かめながら進んだ。
「何か変だ…」イシェは不自然な静けさに不安を感じた。遺跡にはいつも、何らかの獣や虫が住んでいて、音があったはずだ。
その時、突然、背後から重たい音が響き渡った。振り返ると、巨大な石の扉がゆっくりと閉まり始めた。ラーンが慌てて剣を抜いた。「何かいる！」
扉を塞ぐようにして立ちふさがったのは、ヴォルダンの兵士だった。彼らは漆黒の鎧を身にまとい、顔は鉄のマスクで覆われており、冷酷な目を宿していた。
「侵犯者！ここはヴォルダンの領地だ！降伏しろ！」
イシェは絶望した。「やられた…」
ラーンは剣を構えながら、テルヘルに助けを求めた。「テルヘル！どうするんだ？」
しかし、テルヘルの姿はどこにもなかった。残されたのは、彼女の冷たい声だけだった。
「私はもう必要ない…。」