ラーンの大斧が石壁を粉砕した。埃が舞う中、イシェは眉間に皺を寄せながら「またか…」と呟いた。
「ほら、宝の部屋だぞ!」
ラーンは興奮気味に駆け込む。だが、その部屋には朽ちた宝箱と、幾つもの骨だけがあった。イシェはため息をつき、テルヘルに視線を向けたが、彼女は冷静に周囲を見回していた。
「ここには何もない」
イシェの言葉にラーンは肩を落とした。「また外れか…」
テルヘルは、壁の一角に目を留めた。そこには、まるで意図的に隠されたように小さな隙間があった。
「何だ?」
ラーンの問いかけに、テルヘルは小さく頷いた。「ここを調べてみる」
彼女は細い棒状の金属片を取り出して隙間をこじ開けた。すると、奥から微かに光が漏れてきた。
「何かあるぞ!」
ラーンは興奮気味に声を上げた。イシェも緊張感を隠せない様子だ。テルヘルは慎重に石板を動かした。その瞬間、部屋の空気が一変した。冷たい風と共に、不気味な音が響き渡った。壁から伸びる影が、まるで生き物のように蠢いているように見えた。
「これは…」
イシェの声は震えていた。ラーンは剣を構え、テルヘルは冷静に状況を分析していた。しかし、その前に、部屋の奥から何かが動き始めた。それは巨大な影で、ゆっくりと彼らに向かって迫ってきた。
「侵入者…!」
不気味な声が響き渡る。3人は息を呑んで、恐怖に震えるのだった。