「準備はいいか？」テルヘルが冷たく問いかける。ラーンの顔にはいつもの自信が満ち溢れていた。イシェは地図を広げ、複雑な地形を慎重に確認する。「あの洞窟の奥深くにあると聞いたぞ。だが、罠が多いらしい」
「罠なんて大したことはないだろう。俺が先導してやる！」ラーンは剣を軽く振るい、興奮気味に言った。テルヘルは眉をひそめた。「計画通りに進めるのだ。イシェが先に scout を行い、安全を確認してからだ。」イシェは頷き、小さな光る石を手に取り、洞窟の奥へと消えていった。
ラーンとテルヘルは互いに視線を交わす。緊張感が漂う中、テルヘルは静かに口を開いた。「今回の作戦は成功すれば、我々にとって大きな転換点となる。ヴォルダンへの復讐に一歩近づき、そして…」彼女は言葉を濁した。「重要なのは、計画通りに進むことだ。」ラーンの瞳は鋭く光り、頷いた。
イシェが戻ってきた時、顔色が悪かった。「奥には巨大な部屋がある。しかし、そこには…」彼は言葉を詰まらせ、地図を指さす。「中央には巨大な石像があり、その周囲には複雑な仕掛けが施されているようだ。触れると起動する罠だ。」ラーンはイシェの言葉に少し動揺した様子を見せたが、すぐにいつもの自信を取り戻した。
「俺が石像を倒せばいいんだろ？ それなら簡単だ！」テルヘルは冷静に言った。「そんな単純な話ではないだろう。イシェ、その仕掛けは解読できるか？」イシェは地図を再び確認し、考え込んだ後、ゆっくりと頷いた。「可能性はある…だが、時間が必要だ。」
「時間はない」テルヘルは断言した。「ヴォルダンが動き出す前に、我々は必ずこの遺跡から何かを得る必要がある。ラーン、お前は石像に近づく準備をしろ。イシェと俺は仕掛けを解読する。作戦は成功するだろう。」ラーンの顔には、再び自信が戻ってきた。