ラーンの粗雑な剣 swing が埃を巻き上げ、遺跡の奥深くへと続く通路を照らす焚き火の光が揺らめいた。イシェは眉間に皺を寄せて、崩れかけた壁に刻まれた古代文字を指さした。「これ、以前にも見た記号だ…ヴォルダンの遺跡と共通点があるかもしれない」
ラーンは鼻でクンクンとしながら、「そんなもんどうでもいいんだよ。早く宝探しの続きをしようぜ!」とばかりに、石畳の上を進もうとした。
「待てよ、ラーン!」イシェが彼を制止すると、背後から冷めた声が響いた。「イシェの言う通りだ。この遺跡はヴォルダンと関連がある可能性が高い。その場合、我々にとって危険な罠が仕掛けられているかもしれない」
テルヘルがそう言うと、ラーンの顔色が少し変わった。彼女の鋭い眼光はいつも通りに彼を貫いていた。「お前らにはまだ理解できないだろう」テルヘルは続けた。「この遺跡は単なる財宝の隠し場所ではない。ヴォルダンがかつて何を企てていたのか…その鍵がここにあるのだ」
イシェはテルヘルの言葉を真剣な眼差しで聞き入れている。ラーンも、いつも以上に落ち着かない表情をしていた。彼はまだテルヘルの真意を理解できていないようだが、彼女の言葉に何かを感じ取っていた。
「よし、わかった。ここは慎重に進もう」ラーンの声は少し硬かった。イシェが頷くと、3人は再び遺跡の奥へと足を踏み入れた。彼らの背後には、ヴォルダンとの戦いを生き抜くための新たな希望と、そして運命の歯車がゆっくりと動き始める予感が漂っていた。