日差しが容赦なく照りつける砂漠の遺跡。ラーンが巨大な石扉をこじ開けようとしていた。イシェは後ろから「無理だ、ラーン！あの扉には呪文がかかってるはずだ」と声をかけたが、ラーンの耳には届いていなかった。彼は力を込めて扉を押すと、突然轟音が響き渡り、石塵が巻き上がった。扉はわずかに開いたものの、隙間からは不気味な黒 fog が漏れてきた。
「やばいぞ！何かいる！」イシェの声がかすれた。ラーンもようやく危機感を感じた。扉の奥から、低く唸る声が聞こえてきた。テルヘルが後ろから駆け寄り、「あの扉は絶対に開けてはいけない！伝説によれば、そこには亡国の王が眠り、その魂を食らう呪いがある」と告げた。
ラーンの顔色が変わった。「そんな…そんな話、聞いたことないぞ！」彼は恐怖を感じながらも、本能的に逃げ出したい衝動に駆られた。しかし、扉から漏れてきた黒い霧は彼らを包み込み、視界を奪っていく。イシェがラーンの腕をつかみ、「逃げろ！」と叫んだ。3人は手探りで遺跡の奥へと走り出した。
後ろから追いかけてくる何かが彼らの足音を踏み鳴らしている音が聞こえる。息が切れるほど走った末に、彼らは崩れかけの石階段を見つけた。階段を駆け下りるとそこは、広々とした地下空間だった。壁には亡国の王の肖像画が飾られており、その目はまるで生きているようにラーンたちを見つめていた。
その時、イシェが足を滑らせ、転倒した。ラーンの視界からイシェの姿が消えていく。彼は焦る気持ちを抑え、イシェを助けようと振り返った瞬間、背後から何かが襲いかかってきた。