「おいラーン、あの石碑には何か書いてあるぞ」イシェが指差す先には、崩れかけの遺跡の壁に刻まれた文字があった。ラーンは眉間に皺を寄せながら近づき、ぼんやりと読み解こうとした。「うむ…よく分からんが、何か予言みたいだな」。イシェは石碑の写真を撮影する機械を起動し、「後で学者に見せてもらおう」と呟いた。
「予言か…」テルヘルは薄暗い遺跡の中を歩きながら言った。「興味深いね。あの石碑の予言が本当なら、ヴォルダンとの戦いに大きな影響を与える可能性があるわ」。ラーンの無邪気な笑顔とは対照的に、彼女の瞳には冷酷な光が宿っていた。
「まさか、俺たちにそんな大役が回ってくるなんて…」ラーンは首を傾げつつも、どこか誇らしげな表情を見せた。「イシェ、もし本当に世界を救う予言だとしたら、俺たちってすごいよな！」
イシェはため息をついた。「ラーン、いつも通り大げさな…。それに、予言なんて信じる必要はないわよ。真実を知るのは自分たちの目で確かめることだけだ」。しかし、彼女の瞳にもわずかな不安が浮かんでいた。
遺跡の奥深くで、彼らは巨大な扉を発見する。扉には複雑な模様が刻まれており、まるで古代の呪文のように見えた。「これは…！」ラーンの目が輝き始めた。「ついに大穴が見つかったか！？」
テルヘルは扉に手を触れながら言った。「この扉を開けば、予言が動き出すかもしれないわ。そして、私たちの運命も…」
イシェは扉を慎重に開けようと試みるが、その瞬間、遺跡全体が激しく震え始めた。壁から崩落し始める石塊の雨。轟音とともに、彼らの前に巨大な影が現れた。それは、予言を告げると共に世界を滅ぼす存在だった…。