ラーンの大雑把な計画に従い、ビレーの郊外にある遺跡へと向かう一行。イシェはいつも通り地図とメモを広げて確認する。
「本当にここが正しいのか？ ラーン、あの碑文をもう一度確認しろ。」
「大丈夫、大丈夫。ほら、ここに書いてあるだろ？『七つの影の眠る場所』って。まさにこの遺跡じゃないか！」
ラーンの自信にイシェは眉をひそめる。彼の楽観的な態度にはいつもイライラするが、どこか安心できるものもある。
「でも、碑文に書かれた『七つの影』って何だろう？」
テルヘルは鋭い瞳を遺跡の壁に向ける。彼女の目的は復讐だが、遺跡から得られる情報も必要不可欠だ。
「影…それは何かを隠すものかもしれない。」
三人は遺跡の中へと足を踏み入れる。薄暗い通路に続く階段を慎重に降りる。床には時が経つにつれて崩れ落ちた石の破片が散らばり、埃っぽい空気が漂っている。
「この遺跡は古い…。」イシェが呟くと、ラーンの足音が止まった。
「聞こえるか？何かが…」
静寂の中にわずかに聞こえる音。まるで金属同士が擦れ合うような音だ。三人は互いに顔を合わせ、緊張した面持ちで周囲を見渡す。
「敵か？」イシェは剣を握りしめる。テルヘルも同様に手を刀の柄にかけた。ラーンは眉間に皺を寄せながら、音の方向へゆっくりと足を進める。
影が揺らめき、通路の奥から何かが姿を現す。それは巨大な機械仕掛けの守護者だった。錆び付いた金属の体には複雑な模様が刻まれており、その目は赤く光り輝いている。
「これは…！」イシェは驚きの声を上げる。ラーンは剣を抜き、テルヘルは静かに構え直す。三人は一体となった影に立ち向かう準備をする。
この遺跡の奥には、一体何があるのか？そして、彼らは真実に辿り着けるのか…。