「おいラーン、あの奇妙な模様は何だ?」イシェが石畳の上の複雑な文様を指さした。薄暗い遺跡内部を照らすランプの光が、壁画の鋭い線を際立たせた。「知らない。でも、なんか嫌な予感がするぜ」ラーンは剣を握り締め、周囲を見回した。テルヘルは冷静に石畳をなぞりながら言った。「古代ヴォルダン語だ。おそらく警告文だ」
「警告?何から?」イシェが不安げに尋ねた。テルヘルは顔をしかめ、「この遺跡の奥には危険な罠がある可能性が高い。我々を阻むために、この遺跡を守護する何かがいるかもしれない」と答えた。ラーンは眉をひそめた。「そんなこと言われてもなぁ…。俺たちは宝探しに来たんだろ?つまらない警告文で引き下がるわけにはいかないぜ!」
テルヘルはため息をつきながら、「落ち着いて。危険を冒す前に、慎重に判断すべきだ。中止することも視野に入れて…」ラーンの言葉が彼女の言葉を遮った。「いいから行こう!俺たちは大穴を見つけるんだぞ!」イシェはラーンを制止しようと手を伸ばしたが、ラーンはすでに奥へ進んでいった。テルヘルはため息をつきながら、イシェに「仕方ないわね」と小さく呟き、ラーンの後を追いかけた。