「おいラーン、あの石碑、なんか変だぞ。」イシェが眉間に皺を寄せながら言った。ラーンの背後から石碑を指さした。 ラーンは振り返り、石碑の刻まれた文字列をぼんやりと眺めた。「ああ、確かに。見たことないシンボルだな。」
テルヘルが近づいてきて、石碑に手を伸ばした。「これは古代ヴォルダン語だ。恐らく警告文か呪文だろう。」彼女の指が石碑に触れた瞬間、地面が激しく震え始めた。
「何だこれは!」ラーンはバランスを崩しよろめいた。イシェも足元をすくわれそうになった。テルヘルは冷静に状況を見極めていた。「この遺跡には何か強力な力が眠っているようだ。気をつけろ。」
石碑の文字が光り始め、空気が重苦しくなった。ラーンは剣を抜こうとしたが、体が硬直し、動けなくなった。イシェも同様に苦しそうに顔をゆがめた。テルヘルだけがまだ抵抗できるようで、必死に呪文を唱え始めた。
「この遺跡の力は…不治の病か…。」テルヘルの声が震えている。「この力を抑えるには…。」彼女は何かを犠牲にしなければならないことを悟った。しかし、その前にラーンとイシェを守る方法を見つけなければ…。
彼女の瞳に決意が宿り、石碑に向かって歩み始めた。