不案内

土地勘がないこと。詳しくないこと。

物語への影響例

異邦人としての視点。既存秩序への無知がもたらす自由。新鮮な視点。

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ビレーの朝はひんやりと、空気が澄んでいた。ラーンはイシェが用意した薄いスープを流し込みながら、今日の遺跡について熱く語っていた。

「あの遺跡には古代の地図があるって聞いたんだ!もしかしたら、そこに大穴への手がかりが記されているかもな!」

イシェは眉間にしわを寄せた。「またそんな話?ラーン、地図なんてただの噂でしょう。それに、あの遺跡は危険だって何度も言ってるじゃないか。不案内な場所だし、罠仕掛けられた可能性もある」

「大丈夫だよ!イシェも一緒なら怖くないだろ?」

ラーンの笑顔に、イシェはため息をついた。ラーンはいつも、危険を軽視する。彼の楽観的な性格は、イシェにとっては時に頼りになるが、時には不安材料にもなるのだ。

そこにテルヘルが現れた。「準備はいいか?今日は特に慎重に進もう。あの遺跡はヴォルダン軍が以前調査した場所だ。何か残されているかもしれない」

テルヘルの言葉にラーンとイシェは顔を合わせた。ヴォルダン軍の存在を意識することは、いつもよりも緊張感を高める。彼らはヴォルダンとの戦いを避けるため、遺跡探索には慎重になっていた。

遺跡の入り口は崩れかけていて、不気味な静けさが支配していた。内部は薄暗く、湿った空気が漂っていた。ラーンは意気揚々と進んでいくが、イシェは後ろから警戒しながら進む。テルヘルは二人よりも前に歩を進め、周囲を鋭い目で観察していた。

遺跡の中ほどまで進むと、壁に奇妙な模様が描かれていた。それはまるで古代の文字のようだが、イシェにも見慣れないものだった。

「これは…?」

イシェが近づくと、床から砂埃が舞い上がった。その瞬間、壁の模様が光り、部屋全体を照らし出した。同時に、床に仕掛けられたトラップが発動し、鋭い矢が飛び出してくる。

ラーンは咄嗟に剣で矢を受け止めたが、イシェはバランスを崩して転倒した。テルヘルが素早く駆け寄り、イシェを助け起こす。

「気をつけろ!ここは罠だらけだ」

テルヘルの警告を聞きながら、イシェは冷や汗を流した。不案内な遺跡の中での探索は、いつも以上に危険を感じさせた。