ラーンが「よし、今日はきっと何か見つかるぞ!」と目を輝かせると、イシェはため息をついた。「また大穴か。ラーン、そんな甘い話があるわけないって。」
「いや、でもさ、ほら、あの遺跡の奥深くを探検した記録には、黄金の像が見つかったって書いてあったんだよ!あれが本物なら、僕たちだって大金持ちになれる!」
イシェは眉間にしわを寄せた。「記録なんてあてにならないわ。それに、あの遺跡は危険だって聞いたわよ。罠だらけで…」
「大丈夫、俺がいるだろ!イシェも一緒だもんね。」ラーンはニヤリと笑った。
すると後ろから冷えた声が聞こえた。「二人とも、まだ甘すぎるんじゃないか?」
テルヘルが鋭い視線で二人を見下ろしていた。「遺跡探索は命懸けの仕事だ。甘い夢を見てはダメだ。」
「テルヘルさん、いつもはもっと…えーと…」ラーンが言葉を濁すと、イシェが助け舟を出すように言った。「いつもはもっと、冷静で論理的な意見をくれるんですけど…」
テルヘルは小さく笑った。「今日は気分が良いんだ。それに、この遺跡には何か特別なものがある気がする。ただの遺物ではない何かが眠っている。」
ラーンの目は輝きを増した。「やっぱりそうだろ!イシェ、準備はいいか?」
イシェはため息をついた。「もう、仕方ないわね。」
三人は遺跡へと足を踏み入れた。日が傾き始め、影が長く伸びていく中、彼らは遺跡の奥深くへと進んでいった。