まどろみ

うとうとと眠るさま。半睡状態。

物語への影響例

意識と無意識の中間状態。現実と夢の境界。時間の流れの変容。

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ラーンの鼻先に、イシェが持ってきた古い地図を突きつけた。「今回はここだ。」

「また遺跡か…」ラーンはため息をつきながら地図を広げた。ビレーの周りには数え切れないほどの遺跡が点在している。しかし、どれも大した収穫があるわけではなく、いつも同じような光景を繰り返すことに飽き飽きしていた。

イシェは地図に指を落として、「テルヘルが情報を持ってきた。この遺跡には未開の地下通路があるらしい。」と説明した。

「未開ってことは…?」ラーンの目は輝き始めた。

イシェは少しだけ微笑んだ。「財宝が見つかるかもしれないわ。」

テルヘルは、いつも通り冷静な表情で言った。「危険な場所だが、報酬は十分に高い。覚悟しておけ。」

三人はビレーの朝霧がまだ晴れないうちに遺跡へと向かった。深い森を抜け、崩れかけた石造りの門の前で立ち止まった。静寂の中、かすかに鳥のさえずりが聞こえるだけだった。イシェは緊張した面持ちで門に手を触れた。「ここからは気を付けて。」

地下通路に入ると、湿った冷たい空気が肌を刺すように冷たかった。薄暗い光が差し込む中、壁には奇妙な文様が刻まれており、どこか不気味な雰囲気を感じさせた。ラーンは剣を握りしめ、イシェは慎重に足元を確認しながら進んだ。テルヘルは後ろから二人の動きを鋭い目で追っていた。

長い通路を進んでいくうちに、気が遠くなるような静寂が支配していた。まるで時間が止まっているかのような、不思議なまどろみの世界だった。ラーンは背筋がぞっとした。イシェも、いつもより表情が硬く、緊張感が漂っていた。

やがて、通路の先に大きな部屋が見えてきた。中央には巨大な石棺が置かれており、その周りを奇妙な石像が取り囲んでいた。部屋の中央には、ぼんやりと光る球体があり、それが部屋全体を淡い光で満たしていた。

「これは…」イシェは言葉を失った。ラーンも、今まで見たことのない光景に息を呑んだ。テルヘルだけが冷静さを保ち、「探しているものはここにある。」と呟いた。