「よし、今日はあの遺跡だな！」ラーンが目を輝かせた。イシェはいつものようにため息をついた。「またそんな大穴を掘り当てるつもり？ いつも言ってるじゃないの、現実的な計画を立てないと…」
「大丈夫大丈夫！ イシェ、お前は心配性すぎるよ！ほら、いつか必ず大穴が見つかるんだ！」ラーンはそう言って、イシェの肩を叩き、ビレーの街を出た。
テルヘルは二人を見下ろしながら、薄暗い笑みを浮かべた。「あの二人の無謀さは、まさに利用価値ありだな…」
遺跡の入り口に立つと、ラーンは興奮気味に剣を抜いた。「よし、行くぞ！」
イシェは眉をひそめた。「待て、ラーン。まずは周囲を確認しろ… あれ？」
イシェが指さす方向には、奇妙な模様が刻まれた石碑が立っていた。まるで警告のようだった。
「何だこれは…」イシェが近づこうとした瞬間、石碑から緑色の光が放たれ、二人を包み込んだ。
「うわっ！」ラーンは驚いて目を細めた。「なんだこれは…！？」
光が消えると、目の前には見慣れない光景が広がっていた。そこはまるで迷宮のような場所で、壁には複雑な模様が描かれていた。
「ここは…一体どこだ？」イシェは不安そうに言った。
ラーンの顔色が変わった。「まさか…遺跡の奥深くに迷い込んだのか？ イシェ、悪いけど…」
その時、テルヘルが冷静に状況を把握していた。「慌てないで。ここは明らかに罠だった。落ち着いて対処すればいい」彼女は地図を広げ、複雑な模様を分析し始めた。
ラーンはイシェに安心させるように微笑んだ。「ほら、テルヘルがいるから大丈夫さ。きっと抜け出せるよ！」
イシェは深くため息をついた。「いつも通り、のほほんとしてる…」 しかし、彼の心には、どこか安心感があった。この三人の奇妙なチームだからこそ、どんな困難も乗り越えられるような気がした。