ラーンの大 swing で石壁が崩れ落ちた。埃が払拭されると、そこには金色の光沢を持つ小さな箱があった。
「やった!ついに大穴だ!」
ラーンは興奮気味に箱を手に取り、イシェの方を見た。「どうだ、イシェ?俺様の大穴発見だぞ!」
イシェは眉間にしわを寄せながら箱をじっと見つめた。「落ち着きなさい、ラーン。まだ確認もしてないのに…」
その言葉を遮るようにテルヘルが近づいてきて、箱を奪い取った。「この程度の箱を開けるために、わざわざ遺跡に潜らなくてもいいだろう。」彼女は冷徹な目で箱の蓋を開けようとしたその時、箱から小さな毒ガスが噴き出した。
ラーンは思わず coughing しながら、「くそっ!罠だ!」と叫んだ。イシェは素早くラーンの腕を掴んで安全な場所に避難させた。「気をつけろ、ラーン!この遺跡には罠が多い。」
テルヘルは顔面蒼白になりながら、箱から離れようとしたその時、床が崩れ始め、三人は深い穴に落ちていった。
「うわああああ!」
三人の叫び声と共に埃が立ち込めた。しばらくして coughing をしながら立ち上がったラーンは、イシェとテルヘルを探した。「イシェ!テルヘル!大丈夫か!」
かすかな声でイシェが答えた。「ここ…ここだ…」
薄暗い穴の奥から、イシェとテルヘルが這い上がってきた。イシェは顔面に切り傷を負い、テルヘルは衣服を破いて血痕をつけていたが、命に別状は無さそうだった。
ラーンの顔色が一変した。「よし、これで…」
その時、崩落した床の隙間から、箱が姿を現し始めた。金色の光沢は、埃まみれになっていたが、その輝きは失われていなかった。
「あの…あの箱が…」イシェは言葉を失った。
ラーンは興奮気味に箱を掴もうとしたが、テルヘルが彼の手を強く押さえた。「待て、ラーン。この箱には何があるのか、まだわからない。」
「でも…」
「落ち着け」テルヘルは深い息を吸い込み、冷静に言った。「あの毒ガス…あれは単なる罠ではないかもしれない。箱を開ける前に、十分な準備が必要だ。」
イシェはテルヘルの言葉を聞いて頷いた。「彼女は正しい。あの箱には何か危険なものが入っている可能性がある。慎重に進めよう。」
ラーンは渋々ながらも、二つの言葉に耳を傾けた。そして、三人は再び遺跡の奥深くへと進んでいった。しかし、彼らの心の中には、ぬか喜びのような不吉な予感が残されていた。