「よし、行こうぜ！」ラーンの声が、ビレーの朝の静けさを切り裂いた。イシェはため息をつきながら、彼の後をついていく。いつも通り、ラーンは興奮気味で、計画性ゼロだった。
「今日の目標はあの遺跡だ。古代の文献には、そこには巨大な宝石が眠っていると記されているらしい。」
イシェは懐疑的な目を向けた。「またそんな話か？ ラーン、そんな légendes は信じるべきじゃないよ。」
ラーンの笑顔は不敵だった。「でも、もし本当だったら？ 大穴を掘り当てて、ビレーに豪華な酒場を建ててやるんだ！」
イシェは苦笑した。「いつものことだね。現実的な話もしてみない？」
その時、背後から声が響いた。「準備はいいか？」それはテルヘルだ。彼女は常に冷静で、鋭い視線でラーンとイシェを見据えていた。
「ああ、もちろん」ラーンの声は少しだけ震えていた。テルヘルの存在感は、いつも彼を緊張させた。彼女の目的は謎に包まれており、ラーンは彼女が自分を何のために利用しているのか分からなかった。だが、彼女の報酬は魅力的で、ラーンの冒険心はそれを覆い隠した。
3人は遺跡へと向かった。道中、イシェはテルヘルに質問を試みた。「なぜ、あなたのような優秀な人物が、私たちと一緒に遺跡を探検するのですか？」
テルヘルは少しだけ目を伏せた。「私の目的は、この国の歴史を解き明かすことだ。そして、その鍵は遺跡にある。」
イシェは納得できなかった。彼女の答えは曖昧で、何かを隠しているように感じた。
遺跡の入り口に到着すると、ラーンはいつものように興奮した様子を見せた。「よし、さあ行くぞ！」
しかし、イシェは何かを感じ取った。「ちょっと待て。」彼女は周囲を警戒しながら言った。「ここは何かおかしい… 」
その瞬間、地面が激しく揺れ始めた。すいすい、と水が湧き上がってくる音が聞こえた。遺跡の奥から、恐ろしい咆哮が響き渡った。ラーンは慌てて剣を抜き、イシェは素早く動き、テルヘルは冷静に状況を把握した。
彼らは遺跡の奥へと進んでいく。行く手を阻む壁や仕掛けを、それぞれの能力で乗り越えていった。ラーンの力強さ、イシェの機知、そしてテルヘルの知識が、彼らを危機から救う。
ついに、彼らは遺跡の奥深くにある巨大な部屋に到着した。そこには、輝く宝石の山と、巨大な怪物が待ち構えていた。