さぼり

義務や仕事を怠ること。

物語への影響例

抵抗の消極的形態。自己決定権の行使。社会的期待への反抗。

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「今日はいい天気だなぁ。遺跡探すのには絶好の日だぞ!」ラーンがそう言うと、イシェは眉間にしわを寄せた。

「またそんなこと言ってる。今日も結局、あの小さな祠に潜り込むだけだろう。大穴なんて、夢物語だろ」

ラーンの笑顔は一瞬曇ったが、すぐに元通りになった。「いやいや、今回は違う気がするんだ!だってさ、テルヘルさんが大金で雇ってくれたんだから、きっと何かしら大発見があるはずだ!」

イシェはため息をついた。「いつもそう言うじゃないか。それに、テルヘルさんのあの冷たい目つきを見る限り、大金だなんて言ってないぞ」

ラーンの耳には、テルヘルさんの鋭い声が聞こえた。「お前たちには、この遺跡の奥深くにある遺物を持ち帰る任務がある。報酬は成功次第だ」。その冷酷な視線と、まるで獣を狩るように冷たい言葉に、イシェはいつも不安を感じていた。

「よし、準備はいいか?今日はテルヘルさんのためにも、頑張ろうぜ!」ラーンは剣を手にし、意気揚々と遺跡へと向かった。イシェは深くため息をつき、ラーンの後ろを歩いた。

遺跡の入口で、イシェは少し立ち止まった。「ラーン、ちょっと待って。あの祠の奥には、以前見た場所があるんだ。あの時、何か奇妙なものが動いてた気がするんだよ」

ラーンは振り返り、「またそんなこと?そんなん大穴に繋がるわけないだろ」と言い捨て、祠へと入っていった。イシェはため息をつきながら、ラーンの後を続けた。

祠の中は薄暗く、埃っぽい空気で満たされていた。イシェはラーンの後ろを歩きながら、気を付けて足元を見つめていた。すると、壁の陰から何かが動いた気がした。

「ラーン!ちょっと待て!」イシェは声をかけたが、ラーンは無視して奥へと進んでいった。イシェは不安を感じながらも、ラーンの後を追った。

祠の奥深くには、大きな石棺が置かれていた。ラーンはその石棺に近づき、剣を振り下ろそうとしたその時、イシェは声を上げた。

「待て!あの石棺に触るな!」

ラーンの動きが止まった。「何だ?急に何を言ってるんだ?」

イシェは指さし、「あそこの壁に何か書かれてないか?よく見てみろ!」

ラーンは壁を見た。そこには、かすれた文字で何かが書かれていた。イシェはゆっくりと読み上げた。

「ここに眠るものは、目を覚ます時、世界を滅ぼす。」

ラーンの顔色が変わった。「なんだこれは…」

イシェは不安そうに言った。「この石棺を開けるのはやめた方がいいと思う…」。

その時、石棺の上から黒い煙が立ち上り、祠全体を覆い始めた。ラーンとイシェは息を呑んだ。

「さっさと逃げろ!」イシェはラーンの腕を引き、祠の外へと走った。二人は必死に走り、なんとか遺跡から脱出できた。振り返ると、遺跡の入口から黒い煙が噴き上がっていた。

イシェは息を切らしながら言った。「あの石棺を開けてはいけない…」。ラーンも深く頷いた。

「ああ…今回は本当に大穴だったのかもしれない」ラーンはそう呟き、イシェに肩を叩いた。

二人は疲れ果てて、ビレーの街へと戻っていった。今日は遺跡探しのさぼりをした日になったが、二人は奇妙な安堵感を感じていた。