ラーンが遺跡の入り口で立ち止まり、「よし、今回は絶対大穴だ！」と豪語した。イシェはため息をつきながら、「また同じことを言うのか…」と呟いた。テルヘルはいつも通り冷静に周囲を警戒しながら、「無駄な時間を過ごしているようだな」と冷めた声で言った。
ラーンは気にせず、遺跡の奥へと進んでいった。イシェは仕方なくラーンの後を追いかけ、テルヘルも彼らを少し遅れて追うように歩を進めた。遺跡内部は暗く湿っており、足元には石畳が崩れ落ちている場所もあった。
「ここは以前来たことがあるような…」イシェが呟くと、ラーンがうっかり足を踏み外し、崩れた石畳に転げ落ちてしまった。「うわっ！」ラーンの叫び声が響き渡った。イシェは慌てて駆け寄ると、「大丈夫か？」と尋ねた。ラーンは顔面蒼白で「痛いが…大丈夫だ」と言った。
テルヘルは眉間に皺を寄せ、「無茶な行動を控えるべきだ」と叱った。ラーンの無鉄砲さはイシェを悩ませ、テルヘルの計画を狂わせることもあった。しかし、彼の行動が時に予期せぬ発見をもたらすこともあったため、テルヘルも彼を完全に排除するわけにはいかなかった。
立ち上がったラーンがうっかり壁に手をついてみると、石畳の下から光るものが現れた。「なんだこれは？」ラーンの声を聞いて、イシェとテルヘルも駆け寄ってきた。壁の隙間から覗くと、そこに古代の文字で書かれた巻物が隠されていた。
「これは…」イシェは目を丸くして言った。「貴重な遺物だ」テルヘルも興奮した様子を見せた。ラーンはうっかり転んでしまったおかげで、遺跡の隠された秘密を発見してしまったのだ。